ISO 10993-17:2023がリスク評価に焦点を移す理由
このホワイトペーパーでは、医療機器の毒性リスク評価(TRA)に不可欠な規格であるISO 10993-17の重要な改訂について解説します。これまで、医療機器の毒性リスク評価(TRA)の実施に関する公開ガイダンスが不足しており、毒性学者間でアプローチに一貫性がありませんでした。改訂版ISO 10993-17は、より標準化されたアプローチを提供することで、このギャップを解消することを目的としています。
主な変更点と更新点:
- 名前の変更: この規格の名称は、「溶出物質の許容限度の設定方法」から「医療機器成分の毒性リスク評価」に変更されました。この変更は、耐容摂取量(TI)または耐容接触量(TCL)と最悪ケース推定曝露量(EEDmax)に基づいて毒性リスクを推定するという意図を反映しています。
- 体系的なアプローチ: 改訂された規格では、危険性の特定、リスクの推定、TI または毒性懸念閾値 (TTC) の確立、EEDmax の計算、安全余裕度 (MOS) など、TRA への体系的なアプローチが導入されています。
- 毒性スクリーニング限界(TSL): TSLの概念が導入されました。これは、健康に顕著な害を及ぼさない一定期間における累積曝露量です。TSLは、特定の化学成分の総量が毒性を引き起こすには低すぎるかどうかを判断するのに役立ちます。
- リスク推定: 毒性リスクは、医療機器の使用状況下で、成分への曝露が所定のレベルを超え、関連する危害をもたらす場合に推定されます。リスクは、成分の総量がTSL以下、または最悪のケースの推定曝露量が適用されるTTCまたはTIを下回る場合に許容されます。
- 古い用語: 「許容限度」、「便益係数」、「比例曝露係数」、「許容曝露」、「利用係数」など、いくつかの用語は現在では時代遅れと見なされています。
毒性リスクへの対応がより明確になりました。ホワイトペーパーをダウンロードして、改訂版ISO 10993-17:2023規格が医療機器のリスク評価に構造と一貫性をもたらす仕組みをご確認ください。